「歯をちゃんと磨かないと虫歯になるからね…」「磨きをしっかりとして規則正しい生活習慣でダラダラ食べをしない」といわれるものの、気づけば虫歯になっている…そんな方は少なくないかと思います。
自己責任といえばおしまいですが…
結局のところ、歯の質は生まれながらにして変えられませんし、甘いものは食べたい、ものです。
食べたあとよく磨けと言っても個人個人うまい下手があり、徹底しづらいものですよね。
とはいえ、虫歯になりたくないのも当然です。
そこで今回は、意外と知られていない、効果的な虫歯予防についてお伝えできればと思います。もちろん、怪しい根拠不明なものではなく、日本歯科保存学会の論文によるエビデンスがあるやりかたです。
結論から言えば
- 「ホームホワイトニングキット」と「高濃度フッ素歯磨き粉」を寝る前に30分使う
- 除菌を行い、口の中にもともと備わっている歯の再石灰化を促す
のです。
では、なぜそれが効果的なのか?を「そもそも虫歯になるのは?」というところからお伝えできればと思います。
動画でもご案内しています
準備に必要なもの
ホームホワイトニングキットの用意
まず、ホームホワイトニングキットは必要です。なので、ホワイトニングトレーとホワイトニングジェルはあらかじめ歯医者さんでまず作ってもらっておいてください。
当院でもホワイトエッセンスと提携して取り扱っています。詳しくはこちらをご覧ください。
→【ホワイトエッセンス西国分寺】
国分寺・府中・国立のホワイトニング・歯のクリーニング
高濃度フッ素含有歯磨き粉の用意
通常の歯磨きをする高濃度フッ素歯磨き粉はアマゾンや楽天などで「1450ppm フッ素歯磨材」などでググってみると山ほど出てきます。基本的にどこのメーカーでもかまいません。お悩みでしたら来院の際にでも、ご質問ください。
手順
寝る前が良いと思います、歯磨きが終わったあと(歯磨きは別途必要です)軽くゆすいでから、歯ブラシで歯全体に少し、高濃度フッ素含有歯磨き粉をつけていきます。
その後、歯磨き粉をそのままに、ホワイトニングトレーにホワイトニングジェルをほんの少しいれてそれを約30分はめて放置します。
ホワイトニングジェルと歯磨き粉両方を30分間浸透させます。
30分後にはトレーを外して、再度歯ブラシをしてからよくゆすいで終了です。
注意点
- 基本的に20歳以上の方向けの方法です。
- インプラントの入っている方にはフッ素成分がインプラントにはよくないので、高濃度フッ素入り歯磨き粉で磨かずにホワイトニングジェルだけをお使いください。
毎日30分ないしは数日間おきに定時的に行うことで、細菌そのものの量を減らして、虫歯になりにくい口腔内環境にだんだんと変化させていきます。
細菌量を一定数減らすことが持続的に可能となれば、生体の自浄作用、免疫力の力がうまく働くようになります。
もっと良い状態にしたいなら、善玉菌を
積極的にもっといい状態にされたいのであれば、口腔内にとって善玉菌とよばれている、ロイテリ菌などが入っている、ロイテリヨーグルト(オハヨーから出ています)などを習慣的に食べていただくとさらに効果的でしょう。
もしあなたがヨーグルト嫌いなら、善玉菌だけのタブレットも診療所で売っていますのでお気軽に摂取できます。
朝目覚めてすぐの口の中の爽やかさが全然違う
この方法、試された方はすぐにお分かりになると思いますが、
まず、朝目覚めてすぐの自分の口の中の爽やかさが全然今までと違うということを経験されると思います。
目覚めの時口の中がねばねばしているとか、口臭があるとかを気にされている方がこの方法を試されて、皆さんその違いがあまりに大きいので驚かれます。
同じお金をかけるなら、治療より予防にお金をかけた方が時間も節約になります。
なによりも治療での痛い思いや不愉快な思いをしなくてすみます。
さらにお得なことは、やり続けることで、歯も自動的にだんだん白くなり、朝から口腔内の爽やかな息が手に入る
そして、虫歯は永遠にできなくなる・・・という人生が続くならいいと思いませんか?
2つの大学の研究結果によるエビデンス
え?なぜ虫歯予防でホワイトニング?噓でしょう?と思われる方もおられると思います。
このやり方は2つの大学の研究結果による強力なエビデンスに基づいています。ともに日本歯科保存学会に投稿された論文からです。
一つ目は2012年に日本大学松戸歯学部保存修復学講座からの論文
過酸化尿素のう蝕原因菌に対する抗菌効果https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikahozon/55/6/55_KJ00008610703/_pdf/-char/ja
本研究はホームホワイトニングで頻用されている過酸化尿素を用い齲蝕抑制効果の 有無について齲蝕原因菌であるS.mutans PS−14(c)株,StrePtococcussobrinus 6715 (d)株ならびにA.naestundii ATCC 19246 株の3 種を用い ,invitro の実験において検討した.
二つ目は2014年に神奈川歯科大学大学院 う蝕制御修復学講座からの論文で
フッ化物含有ホームブリーチング材の歯質脱灰抑制能https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikahozon/57/6/57_570/_pdf/-char/ja
過酸化尿素は齲蝕原因菌に対して顕著な殺菌作用とWIG合成阻害が認められ,抗齲蝕作用を有することが示唆されたため,齲蝕抑制物質としての有効性を検討した
細かい内容をご覧になりたい方は論文のリンクを張っておきますのでそちらをご覧ください。
なぜこの方法で虫歯予防ができるのか…?それは虫歯が感染症だから
高濃度フッ素とホワイトニングジェルという殺菌の方向で、虫歯予防ができるのは、虫歯が「汚れ」が起こしているものではなく、「細菌感染症」だからです。これを機会に改めてここを知っておいてください。
虫歯は年令に関係なく発生しうる
みなさんは、子供のころから
「歯をちゃんと磨かないと虫歯になるからね…」
と言われてきた記憶はありますよね
そう、若い人に多い虫歯は、歯の表面の凹凸のある噛む面や、磨きにくい歯と歯の隙間によくできますよね。
でも、子供から大人になり、注意されなくなると知らぬ間に今度は自分が虫歯になっていた…何てことはざらです。いやいや私はしっかりと管理し続けてきたので、今まで虫歯になったことはなかった、と豪語される方もたまにいらっしゃいます。
しかしそんな方でも、必ず歳を取ります。
「最近歳のせいか歯茎が下がってきて歯の付け根あたりがしみてしょうがないので診てほしい」
とお越しになるご年配の方、かなり多いです。
要するに、虫歯っていうのは子供から年寄りまですべての世代の方に、発生する病気だということをまずご理解ください。
虫歯の起きる原因
知っておいていただきたい事は、虫歯や歯周病が細菌感染症だということ。虫歯は虫歯菌、歯周病は歯周病菌で起きます。
なので、虫歯や歯周病は、唾液とプラークを介して人に伝染します。
虫歯になる人、歯周病になる人は虫歯菌、歯周病菌に既に感染している人なのです。そして大人のほとんどが残念ながら既に感染しているといわれています。
虫歯菌は歯を溶かす酸を作り出し虫歯にします。歯周病菌は骨を溶かす毒素を作り出し歯周病にします。
その細菌の数が、口の中で増えすぎると虫歯などの問題が発生するのです。
たいていは歯を磨いて寝なさいと言っていた父さんやお母さん、身内の方からの場合がほとんどだといわれています。
ご自分のパートナーが歯周病や虫歯なら当然うつされます。
つまり、必ずしもあなたの歯磨きだけが悪かったという理由ではないということです。
もともと唾液の成分と浄化作用によって溶けた歯は修復され歯は絶えず守られているものです。
だから、虫歯菌・歯周病菌を減らした状態を保つことが大事
なので、今回ご紹介した殺菌を定期的に行うことが、虫歯防止につながるんです。歯磨きももちろん大事です。でも、どうしても完璧なブラッシングを続けることは難しいです。
ブラッシングと合わせて、今回のような方法を使うことはとても有効な虫歯・歯周病予防法です。ぜひお試しください。
当院にいらした際はブログを見てとおっしゃっていただければ、色々ご案内させていただきますので、お気軽にご相談くださいませ。
動画でも解説しています
歯の治療は、一般的な内科治療などと少し違いがあります。それは「同じ箇所の治療でも、やり方がたくさんある」ということ。例えば、1つの虫歯を治すだけでも「治療方法」「使う材料」「制作方法」がたくさんあります。選択を誤ると、思わぬ苦労や想像していなかった悩みを抱えてしまうことも、少なくありません。
当院では、みなさまに安心と満足の生活を得て頂くことを目標に、皆様の立場に立った治療を心がけています。お気軽にお越し下さい。