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まずインレーとクラウンの違いを理解することが重要です。

虫歯ができた際、ほんの小さな部分ならコンポジットレジンで埋める程度で済みます。

しかし、ある程度の大きさになると、その場で綺麗に詰めるのが難しくなります。そのため、歯型を取って補綴物を作製し、セメントで合着します。

補綴物の大きさに応じて「インレー・アンレー・クラウン」と呼ばれます。インレーとクラウンは最もよく耳にする名称でしょう。

インレーとクラウン:大きさによる使い分け

■インレー

  • 部分的に歯を覆う修復方法
  • 小~中規模の虫歯に用いられる

■クラウン

  • 歯全体を覆うかぶせ物
  • 虫歯が大きい場合や強度が必要な場合に適用
インレー装着前の歯面

1:インレー装着前の削られた歯

 

銀歯のインレー

2:保険の銀歯のインレー

 

クラウン装着前の削られた歯の形

3:クラウン装着前の削られた歯の形

 

健康保険のクラウン

4:保険の銀歯のクラウン

噛む面すべてをカバーするクラウンに比べ、インレーは歯との境目が噛み合わせの通り道に存在します。

そのため歯ぎしりや食事のたびに境目に力が加わり、欠けや剥がれが起こるリスクが高いです。

インレーとクラウンを選ぶときの強度の考え方

補綴物が壊れる事態は避けたいものです。しかし、実際歯には想像以上の力がかかりるものです。その結果、歯ぎしりや硬い物を噛むと数十kgもの負荷が加わるケースもあります。

クラウン

  • 噛む面に境目がないため欠けやすい部分が少ない
  • 強度は高いが、その分大きく削る必要がある

インレー

  • 部分的な修復なので削る量は少なめ
  • 上下の歯が擦れ合うたびに、インレーの境目が衝撃を受けやすい
  • ハイブリッドインレーなど強度が低めの素材だと、図5のように欠けてしまうリスクも

欠けてしまったインレーの例

設計上の問題で破損したハイブリッドインレー

図5 破損したハイブリッドインレー

赤い部分は上下の歯を嚙んでもらって、実際に向かい合っている上下の歯とぶつかている場所を確認するためにつけたものです。

欠けてしまった部分は、この赤い部分のように、いつもよく使われる噛み合わせの通り道になっていたところだということがわかります。

「思ったより削られた」と感じたときの背景

たとえ虫歯が小さいと思っていても、クラウンタイプのほうが安全な場合があります。それは、上下の歯が当たる通り道に被せ物や歯の境目が来る場合です。

なぜなら、歯ぎしりや噛む力で境目が破損しにくいからです。

「何でもクラウンにすればいい」というわけではありません。

なので、できるだけ削らずに済ませるのが理想です。しかし、長期的な耐久性や噛み合わせの状況を考慮した上で、治療方針は決まります。

インレーとクラウンを選ぶ基準は多岐にわたる

考えるべきは以下の様なポイントです。

  • どちら側の歯を主に使って噛むのか
  • 噛む力が強いかどうか(エラが張っているなど)
  • 前歯がしっかり被さって噛み合わせをコントロールできているか
  • 向かい合う歯がインプラントか、取り外し式の義歯か
  • 削る歯のエナメル質や結晶方向

これらを考慮しながら、患者様一人ひとりに適切な補綴物を提案するのが私たちの役目です。

「なるべく削らないでほしい」というご要望をいただくことも多いですね。しかし、長期的な耐久性や破損リスクを踏まえてギリギリのラインを探っています。

また、インレーとクラウンをどうするかは、今後の生活を見据えて検討する必要があります。

ご不安やご要望があれば、遠慮なく治療時にご相談ください。私たちはできるだけ良い形を目指し、治療方針を調整してまいります。

また、当院では歯科情報を様々に発信していますのでぜひご覧下さい。

Categoryかぶせ物

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