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長年、患者様を診ておりますと、歯を失う方のパターンがある程度見えて参ります。主として、生活習慣・口腔内環境・噛み合わせについての意識の問題が大きいですね。

  1. 歯の汚れを放置している
    みがけているようで案外みがけていません。また、バイオフィルムという汚れはプラークのように目に見えないので気づかないことが多いのです
  2. 歯並びが悪いのを放置している
    一見歯並びが悪くないように見えても、前歯と奥歯の連携がとれていない場合が随分あります。

8020達成者(80歳になっている時点で20本以上の歯が存在する方)は、ほとんどの方が正常咬合であり、反対咬合や開咬が極めて少ないです。

前歯の被蓋が正常で、アンテリオールガイダンスが存在するものがほとんどであるという研究報告書が平成14年度に出されています。

(平成14年度 8020達成者の咬合および顎顔面形態に関する調査 東京歯科大学歯科矯正学教室、千葉市歯科医師会共同による8020公募研究報告諸抄録資料より)

若いときから噛み合わせが良いと、歯も多く残る傾向がある

この報告書の意味するところは、年を取ったときに歯が多く存在している方は若い時からかみ合わせが良好であったということなのです。

です。なので、矯正治療を若いころに受けておくことのメリットは、出っ歯を治すとか、乱杭歯を治すといった、見た目をよくするといった審美的な要因以上に、ご自身の歯そのものの寿命をのばすという、とても大事なことにつながっています。

歯並びが悪いのを放置しておいた結果、中年以降に歯がだめになり始めて、ブリッジによる欠損補綴からはじまり、違和感の強い取り外しの義歯を我慢して使わなくてはならなくなったり、さらには歯一本あたり40万円もするインプラントを何本もいれる必要が生じてしまったり…という方を数多く経験しております。

こうなってしまわないために、矯正治療は短期的には目先の出費ではありますが、長期的に見た場合、将来のご自身の歯の延命のためには非常に理にかなった治療と考えられます。

矯正するタイミングは、そのかたが治療をはじめてみようと思い立たれたときなのです。

噛みにくいといった現象をどうか放置しないでください。特に奥歯は見えないからいいや…と考えていると、将来とんでもないしっぺ返しを受けることになります。

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