
保険診療の被せ物:素材と実態を知ろう
健康保険での歯科治療は、教育でいう義務教育レベル。だからこそ、被せ物の素材と実態を知っておくことが大切です。 今回は、特に前歯の被せ物に焦点を当て、保険診療と自費診療の違いを解説します。
保険診療の前歯・被せ物治療:素材と特徴
虫歯が大きくなると、削った後に被せ物で歯の形を補います。 健康保険では、前歯の被せ物は金銀パラジウム合金がベース。
そして、硬質レジンというプラスチック樹脂を張り付け、表面を白く見せます。 金属が強度を確保しますが、プラスチックは黄ばみや剥がれ、着色が起きやすいのが欠点です。
自費診療のセラミック:優れた耐久性と審美性
一方、セラミック素材の自費治療は、耐久性と審美性に優れます。 変色や摩耗に強く、長期的に安定した状態を維持しやすいのが利点。 さらに、天然歯のような透明感を再現でき、見た目も自然です。
保険診療と自費診療の比較:被せ物1年後の変化
上の前歯2本がセラミック、両脇2本が保険診療のレジン前装冠(プラスチックを貼り付けたもの)の1年後の写真をご覧ください。
天然歯である下の前歯との色の違いは明らかです。
保険診療の被せ物は、当初は目立たなくても、時間経過とともに黄ばみ、見栄えが悪くなることがあります。
自費診療の被せ物を推奨する3つの理由
- 被せ物の劣化が少なく、長期安定性に優れる。
- 金属イオンによる酸化がなく、歯茎の黒ずみを防ぎ審美性を維持。
- 再治療時、酸化部分の削除が不要で、歯の寿命を延ばせる。
これらが、前歯の被せ物に自費診療をおすすめする主な理由です。
保険診療の金属:歯茎への影響
保険診療の被せ物は、下地に銀合金を使用。
この写真でわかるように、時間経過とともに銀イオンが溶け出し、歯茎の境目が黒くなることがあります。 これは、審美的に好ましくない状態です。
自費診療のオールセラミック:長期的な美しさ
一方、自費の強化オールセラミック冠は、金属を一切使用しません。 ですから、歯茎の黒ずみの心配がなく、長期的に美しい状態を保てます。 初期費用はかかりますが、再治療の頻度を減らし、結果的に歯を守ることにつながります。
歯の寿命と時間:被せ物の長期的な視点
再治療のたびに歯を削ると、歯の寿命は縮まります。 また、通院に費やす時間も、貴重な損失です。 長期的な視点で見ると、自費診療は、歯の健康と時間を守るための賢い選択と言えるでしょう。
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