
こんにちは。
突然ですが、あなたの歯は本当にキレイでしょうか?
「私は高性能の電動歯ブラシで毎日しっかり磨いているから大丈夫!」──そう思っている方こそ要注意です。
実は歯の表面にはバイオフィルムという透明な細菌被膜が必ず形成されます。これは通常の歯磨きだけでは完全に除去できません。
- 古いバイオフィルムは歯周病リスクを急上昇させる。
- 多くの人が「歯のクリーニング=歯石取り」と勘違いしている。
本記事では「本当に必要な歯のクリーニング」を徹底解説します。最後まで読めば、一生歯を健康に保つ秘訣がわかります。
- 1 セルフケアでは落とせないバイオフィルムと歯周病サイン
- 2 予防クリーニングは「気になる前」がベスト
- 3 健康保険クリーニングと自費クリーニングの違い
- 4 健康保険だけで本当に足りる?
- 5 自費クリーニングで使う最新技術:UFB水 × エアフロー
- 6 歯石取りだけで安心しない!本当の予防はその先へ
- 7 あなたの歯周病リスクを知る 4 つのセルフチェック
- 8 歯周病は「うつる」細菌感染症
- 9 歯周病はバイオフィルム感染症
- 10 歯周病はいつ誰からうつる?──不都合な真実
- 11 口腔内の「細菌ピラミッド」を知り現状を把握
- 12 完璧な口腔ケアでも残る細菌とその範囲
- 13 家族・パートナーと一緒にリスクを減らす
- 14 進行した歯周病に対する先進治療オプション
- 15 ピラミッドを完成させない 4 つの対策
セルフケアでは落とせないバイオフィルムと歯周病サイン
「毎日ブラッシングとフロスをしているから大丈夫」と思っていませんか?
実は9割以上の人の歯にバイオフィルムが残存しています。
初期サインをチェック
- 最近、口臭が気になる
- 歯ぐきにムズムズする違和感がある
- 歯茎が下がり、食べ物が挟まりやすい
これらはすべて歯周病の初期サインです。痛みなく静かに進むため、気づきにくいのが特徴。
症状が出る前に予防クリーニングを受けることが重要です。
予防クリーニングは「気になる前」がベスト
「歯石が付いた気がするからそろそろ歯医者へ…」
──実はそのタイミングでは遅いのです。
なぜ遅いのか
- 歯周病は無症状で進行。気づいたときにはステージが一段階悪化。
- 症状が出てからのクリーニングは“マイナスをゼロ”に戻す治療にすぎない。
- 本来の予防効果を得るには2〜3 か月おきが理想。
クリーニング間隔の目安
間隔 | 効果 | リスク |
---|---|---|
2〜3 か月 | 高い予防効果を維持 | ◎ 最適 |
4〜6 か月 | 一部バイオフィルムが成熟 | △ 要注意 |
半年超 | バイオフィルム毒性が増大 | × 歯周病進行の恐れ |
健康保険クリーニングと自費クリーニングの違い
「クリーニングをお願いします!」と受付で伝えると、通常は健康保険の範囲で処置されます。しかし、保険と自費では目的も内容も別物です。
項目 | 健康保険クリーニング | 自費クリーニング |
---|---|---|
目的 | 歯周病治療(症状がある歯中心) | 健康維持・予防(全歯対象) |
アプローチ | 歯石除去がメイン | バイオフィルムを徹底除去 |
使用機器 | 超音波スケーラー | 超音波+エアフロー+UFB水 |
所要時間 | 20〜30 分(検査含む) | 約50 分 |
費用目安 | 数千円(3割負担) | 1万〜2万円 |
つまり、「すべての歯を均一にキレイにする」という目的は保険クリーニングには含まれていません。
健康保険だけで本当に足りる?
保険診療ではガイドラインに沿って検査→治療の順で進むため、時間・回数がかかるうえに予防効果は限定的です。
- まずパノラマ X線・歯周ポケット検査などを実施
- 炎症が強い部位のみ歯石除去
- 状態が改善したかを再評価してから次の処置へ
「早くスッキリしたい」「タイパ重視」という健常者には、自費クリーニングの方がコスパ良好です。
自費クリーニングで使う最新技術:UFB水 × エアフロー
UFB(ウルトラファインバブル)水とは
直径1,000 nm未満の微細気泡が溶け込んだ水。
高浸透・高洗浄・高除菌という特性があり、細菌膜を物理的に破壊します。
エアフローのメリット
- 専用パウダー+UFB水を強力噴射し、茶渋・ステイン・バイオフィルムを一掃
- エナメル質より柔らかいパウダー粒子で歯面を傷つけにくい
- 仕上げにペースト研磨+全歯フロッシングでツルッツルの表面に
歯石取りだけで安心しない!本当の予防はその先へ
治療で炎症が落ち着いた直後こそ自費の予防クリーニングを継続するスタートライン。
「症状が出たらまた保険で…」を繰り返すと、毎回少しずつ歯周組織がダメージを受け続けます。
あなたの歯周病リスクを知る 4 つのセルフチェック
- 歯肉の色・形
- 薄いピンクで引き締まり → 低リスク
- 赤く腫れぼったい → 進行リスク大
- 口臭測定(オーラルクロマ)
メチルメルカプタンが高値なら要注意。 - PCR/培養検査
PG 菌を定量してハイリスクを判定。(自費:約5,000円) - 唾液 pH
アルカリ側に傾くと歯周病菌増殖の傾向。
歯周病は「うつる」細菌感染症
歯周病も虫歯も唾液を介した感染症。
家族・パートナー間での感染が主なルートです。
歯周病はバイオフィルム感染症
バイオフィルムは薬剤が効きにくい鎧。
根本対策は物理的除去(ブラッシング+プロフェッショナルケア)しかありません。
歯周病はいつ誰からうつる?──不都合な真実
- 唾液共有(食器の回し飲み・キスなど)が主因
- 身近な家族・パートナーからの感染確率が高い
- 口腔内を清潔に保つことは自分と大切な人への思いやり
口腔内の「細菌ピラミッド」を知り現状を把握
善玉菌 → 橋渡し菌 → 歯周病菌(レッドコンプレックス)の順で層が厚くなります。
オレンジグループの増殖を抑えればピラミッド完成を防げます。
完璧な口腔ケアでも残る細菌とその範囲
丁寧なセルフケア&定期プロケアを続ければ、後期定着菌(PG 含む)をほぼ排除することが可能。
人口の約 20〜30 % では PG 菌が定着していないという報告もあります。
家族・パートナーと一緒にリスクを減らす
- 全員が定期メンテナンスを受ける
- 食器・ボトルの回し飲みを避ける
- 口臭・出血などのサインを共有して早めに受診
進行した歯周病に対する先進治療オプション
- Er:YAG レーザーで歯肉を開かずに縁下歯石を破砕
- 高濃度活性化次亜塩素酸水洗浄による除菌
- ブルーラジカル殺菌(東北大学発)で 99.99 % 除菌
ピラミッドを完成させない 4 つの対策
- 徹底した口腔衛生
- ブラッシング+フロス+2〜3 か月ごとの予防クリーニング
- 免疫力を高める
- 禁煙・ストレスケア・糖尿病コントロール
- 生活習慣を整える
- 低糖質・高繊維食でプラーク付着を抑制
- 唾液環境の維持
- こまめな水分補給・唾液腺マッサージ・鼻呼吸
人生 100 年時代、+20 年を健康に生き抜くカギは定期的な予防クリーニング。
実行するかどうかは──あなた次第です。

歯の治療は、一般的な内科治療などと少し違いがあります。それは「同じ箇所の治療でも、やり方がたくさんある」ということ。例えば、1つの虫歯を治すだけでも「治療方法」「使う材料」「制作方法」がたくさんあります。選択を誤ると、思わぬ苦労や想像していなかった悩みを抱えてしまうことも、少なくありません。
当院では、みなさまに安心と満足の生活を得て頂くことを目標に、皆様の立場に立った治療を心がけています。お気軽にお越し下さい。